「置き配」が配送現場にもたらすリアル──大田区の声とドライバーの視点

query_builder 2025/06/23
「置き配」が配送現場にもたらすリアル──大田区の声とドライバーの視点

近年、置き配(玄関前などに荷物を置いて配達完了とする非対面配送)が急速に普及しています。国土交通省は、2025年度の再配達率を6%に下げる目標を掲げ、置き配の利用促進策を公表。ヤマト運輸や佐川急便も、オートロックマンション向け対応を強化しており、佐川急便は今年9月から、ヤマトは6月から本格導入に踏み切りました。

📦 再配達削減の鍵を握る「置き配」

物流業界が直面する“2024年問題”──トラックドライバーの労働時間規制強化に伴う輸送力低下の懸念。実際、ドライバーは1日に70〜100個の荷物を扱い、そのうち3〜4割が不在による再配達。これが長時間労働の一因になっている状況です。

ドライバー自身も「置き配なら1回で済むから非常に助かる」という声があり、再配達が減ることで労働負担の軽減につながるとの評価です。


大田区の配送ドライバーも…その本音とは

では、私たちのすぐそば──東京・大田区のドライバーは、置き配をどう捉えているのでしょうか?

たとえば、大田区内を担当する軽貨物ドライバーAさんは、1日平均90件の配達をこなし、そのうち20件以上が再配達。再配達に出向くと、予定が押して次の荷物の遅延やクレームにも繋がるとのこと。Aさん曰く:「置き配指定があれば、1回で完了する案件が増えるので、体力的にも精神的にもかなり助かります」。

一方で、「玄関先に荷物を置くだけだと盗難リスクがあるし、大田区の住宅街ではドロボウも出やすい」「ドライバーとしては、お客様との対面がなくなる分、直接の信頼関係も築きづらくて、そこが寂しい」という二面性も見えてきます。


盗難・誤配・トラブル増加の現実

置き配の問題点もまた、現場で顕在化しています。2024年度までに東京都消費生活総合センターで報告された相談件数は、約4年間で3.6倍に増加。盗難、誤配、破損などトラブルは後を絶ちません


日本防犯学校の梅本正行学長によると、「置き配なら簡単に刃物で袋を切って盗られてしまう」「伝票に住所・氏名・電話番号がそのまま残ると、個人情報も漏れてしまう」との指摘があり、防犯対策として“防犯アピール住宅”(宅配ボックスやカメラ設置、一軒家ならすぐ回収する姿勢)を推奨しています。


ドライバーの“置き配ルール”苦悩も

関東の軽貨物運送会社では、「利用者の指定通りに配る」を基本とし、ドライバーが独自判断で置き配を変更することは禁止されています。誤配やクレームを防ぎ、お客様の意向を尊重する考えによるものです。

「指定が宅配ボックス前だったとしても、通販サイトに玄関前と書いてあれば、従うしかない」という現実。これによりドライバーは「どこに置けばいいのか……」と迷い、配達効率とサービス双方の狭間で悩んでいます。


大田区でこれから求められる対応とは

では、大田区で今後どうすべきなのか。現状を踏まえて、いくつかの視点を整理します。

課題対策案
盗難や誤配の不安鍵付き置き配バッグの普及、大田区コールセンターへの相談、多層防犯の徹底(ライト・カメラ・宅配BOX)
ドライバーへの負担軽減置き配選択で行政ポイント付与、通販事業者による置き配割引制度、ドライバーへ感謝のメッセージ行動
利用者の意識向上置き配ガイドライン、事前告知・マナー強化、不在時の住民連携(声かけ)

千葉県松戸や町田市の事例でも「指示に従い、必要なら荷受人へ電話確認する」といった運用が有効との声があります。



まとめ:地域と現場の橋渡しを目指して

大田区の配送ドライバーも、住民も、互いに助かる「置き配」。しかし現場の苦労やセキュリティリスクを放置していては、持続可能な普及は望めません。

行政によるポイント制度、地域の共助意識、防犯設備、通販側での選択肢整備──それらが互いの信頼を築き、再配達という“無駄な労力”を減らす鍵となります。

配達の効率化と安心を両立させるためには、大田区のような住宅密集地だからこそ、地域社会、行政、通販、配送現場が一体となる取り組みが必要不可欠です。


配送ドライバーとしての日々を支え、大田区の子育て世代や単身世帯の暮らしを守る——そんな未来のために、あなたも“置き配”の利用と防犯意識、そして感謝の気持ちを少しずつ始めてみませんか?

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オールホワイト合同会社

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